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「いびきがすごい」と言われたら要注意? “眠り”の病気にご用心

  • 総合診療

2025.8.3

公開日

2025.8.3

更新日

2026.2.7

窓から爽やかな風が吹き込み、白いカーテンがなびく清潔で明るい寝室の風景写真。

こんにちは、春日すぐファミリークリニック 院長の織田です。


先日、高血圧で治療中の患者さんからこんなお話を伺いました。

「家族から“いびきがすごい”と言われるけど、自分ではよくわからなくて…」

「しっかり寝ているのに、なんだか毎日だるくて…」


ご本人は「もう歳だから、仕方ないのかも」とおっしゃっていましたが、

実はこうしたお悩みの裏に、“睡眠中の呼吸のトラブル”が隠れていることがあるんです。


その名も、「睡眠時無呼吸症候群」


あまり聞き慣れない病名かもしれませんが、簡単にいうと――

寝ている間に何度も呼吸が止まってしまい、身体がちゃんと休めなくなる病気です。


睡眠の質が悪くなるので、自律神経のバランスが乱れ、血圧や血糖値を調整する機能にも影響が出てしまいます。高血圧や糖尿病などの持病がある方には注意が必要な病気です。


「いびきくらい大したことない」と思っていたら、実は全身の不調につながっていた――

そんなことにならないためにも、今回は特にこんな方にこそ知ってほしい内容です:


  • 日中の眠気やだるさが気になっている方

  • 「いびきがひどい」と言われたことがある方

  • 血圧や血糖値のコントロールがうまくいかない方


気になる方は、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。


🔸「睡眠時無呼吸症候群」とは?|眠りの質を妨げる“隠れた病気”


睡眠時無呼吸症候群は、

眠っている間に、呼吸が止まったり浅くなったりする状態が繰り返される病気

です。


「いびき」や「日中の眠気」が主な症状ですが、その他にも様々な症状が現れます。


セルフチェックシートでご自身の睡眠の質をチェックしてみましょう!

チェックが多いほど、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと考えられます。

一つでも当てはまる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

「いびきがうるさい」「疲れが取れない」など、睡眠時無呼吸症候群の症状セルフチェックシート。

「いびき」は身体からのSOSサイン!?

私たちの呼吸は「鼻や口 → のど → 気管 → 肺」といったルート(気道)を通って空気がスムーズに流れ込む仕組みになっています。(図中の水色ルート)

正常な呼吸では鼻や口から肺まで空気がスムーズに通るルートが確保されていることを示す、頭部の断面イラスト。

ところが仰向けで寝ると、重力の影響で舌がのどの奥に落ち込み、空気の通り道が狭まりやすい状態になります。

仰向け寝により重力で舌がのどの奥に落ち込み、空気の通り道(気道)がふさがってしまう様子を描いた頭部の断面イラスト。

特に以下のような条件が重なると、より気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。

  • お酒を飲んだ夜

  • 疲れているとき

  • 加齢

  • 口呼吸の傾向がある方

  • あごが小さい、舌が大きい方

  • 肥満

鼻づまり、口呼吸、肥満、加齢などが原因で気道が狭まり、いびきが発生するメカニズムを説明したフローチャート。

舌の落ち込みによって空気の通り道がふさがってしまうと、息が止まり肺に酸素が届かなくなってしまいます。

そうすると、脳は「このままだと危険だ!」と反応し、眠りを浅くして体を起こし、呼吸を再開させようとするのです。


ただし、これは目が覚めたと自覚できるレベルではなく「見た目には寝ているが、脳だけが起きている」といった感じです。

これが一晩のうちに何度もおきると、本人は寝たつもりでも「疲れが取れない」「日中に眠気を感じる」といった症状として日常生活に現れてきます。

眠っている間に呼吸が止まり、酸素不足で脳が休息できず疲弊している様子を擬人化したイラスト。

「合併症」に注意!眠っている間に進行する“隠れた影響”

ここまで「症状」や「原因」についてお話してきましたが、実は一番気をつけたいのが「合併症」です。

睡眠中に呼吸が止まることで、脳や心臓、血管などに少しずつダメージが蓄積されていきます。
特に、次のような病気と関連していることがわかっています。

睡眠時無呼吸症候群の合併症として、高血圧、糖尿病、心疾患、脳卒中、うつ症状などが関連していることを示す概念図。

私たちの身体は夜にしっかり休むことで、血圧や血糖値を適切な状態に調整できるようになっています。

しかし夜間に身体が休めないと、その調整が不安定に…

特に、高血圧や糖尿病の方、または若いうちから血圧が高めの方は、気づかないうちに進行してしまう可能性もあります。

そしてこれらの生活習慣病が進行すると、脳卒中や心疾患といった、命に関わる合併症を引き起こす要因にもなるのです。

ですので、もし「たかがいびき」と思っている方がいらっしゃったら、ひとつの体からのサインとして気にかけてあげてください。思っている以上に見過ごせないサインかもしれません。

🔸まずは“見える化”から。ご自宅でできる検査で確認を!


ここまで睡眠時無呼吸症候群のポイントをお伝えしてきました。

しかしこの病気の厄介な点は―― 「自分では気づきにくい」ことです。

  • いびきは、自分では聞こえない

  • 無呼吸も、寝ている間に起こるのでわからない

  • 合併症も、初期はほとんど症状が出ないことが多い

だからこそ「思い当たることがある…」と感じた方は、ご自身の睡眠状態を“見える化”してみてほしいのです。

気になったらその日にできるー睡眠時無呼吸症候群の検査

当院では、医師により必要と判断された場合、その日のうちに検査をご案内できます。

気になったら「気軽に・ご自宅で」できる検査です。

予約から自宅での検査、機器の返却、検査結果の説明まで、春日すぐファミリークリニックでの検査の流れを示した図。

※当日のお渡しではなく、郵送にてご自宅へお届けすることもあります。



睡眠時無呼吸の検査には以下の2つがあります。

  • 簡易検査

  • PSG検査(精密検査)


睡眠時無呼吸の「簡易検査」と「PSG検査(精密検査)」について、測定内容、メリット、保険適用の有無等を比較した表。

当院ではどちらの検査も対応しており、いびき外来で検査〜治療まで、一貫してサポートしています。

▶いびき外来のご案内

  • どちらもご自宅で検査OK

  • これらの検査で睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、保険治療が可能



ちなみに検査の結果、下記に該当すれば睡眠時無呼吸症候群と診断されます。


【1時間あたりの無呼吸・低呼吸】

  • 5回以上(PSG検査)→睡眠時無呼吸症候群の疑いあり

  • 20回以上(PSG検査)もしくは40回以上(簡易検査)→中等症〜重度の睡眠時無呼吸症候群


※上記は自覚症状の有無などによって異なります。あくまで一般的な目安であり、実際には医師の診断にもとづきます。

🔸「いびきくらい…」と思わずに。未来の健康のために今できることを


睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に気づかぬうちに体へ負担をかけ、生活習慣病のコントロールを難しくすることがあります。


💭いびきくらいで検査なんて…

💭わざわざ検査なんて面倒…


と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

でももし、一度の検査が、将来の心疾患や脳卒中など、命に関わる病気のリスクを下げる一歩になるとしたら――  調べてみる価値はあると思いませんか?


「もしかしたら…」と気になったその時が、受診のタイミングです。

どんな些細なご不安・お悩みも、どうぞ遠慮なくお聞かせください。

春日すぐファミリークリニックでは、“ちょっと話を聞いてみたい” そんな気持ちでも安心して来ていただけるような雰囲気づくりを大切にしています。

地域の皆さまにとって、気軽に立ち寄れる“かかりつけクリニック”となれるように、スタッフ一同精一杯サポートさせていただきます。どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。


それではまた、次のコラムで。


引用文献

[1] 日本呼吸器学会他 監修: 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020 [https://www.jrs.or.jp/publication/file/guidelines_sas2020.pdf(2025年7月28日閲覧)]

[2] 日本循環器学会: 2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン[https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/03/JCS2023_kasai.pdf(2025年7月28日閲覧)]

[3] 日本呼吸器学会: I-05 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS) [https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/i/i-05.html(2025年7月28日閲覧)]

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