クリニック案内
COLUMN
総合診療
2026.5.5
公開日
2026.5.5
更新日
2026.5.4

こんにちは!春日すぐファミリークリニック 院長の織田です。
筋肉が増えると、血糖値や血圧を下げる効果があるといわれています。
とはいえ、「筋トレなんて私には絶対無理...」「やってみたいけど、膝も腰も心配」と一歩が踏み出せない方は多いですよね。でも、血糖値や血圧を下げるために、ジム通いや激しい運動は必要ありません。
今回は安全で簡単な「おうち筋トレ」3選をご紹介します。「体力に自信がない」という方でも始められる方法を、一緒に見ていきましょう。

筋肉は、食事で摂った糖を消費する「巨大な工場」です。食事によって上昇した血液中の糖(ブドウ糖)を取り込み、エネルギーとして消費する役割を担っています。
しかし、筋肉が少ないと、糖は使われずに血液内に溜まってしまいます。これが高血糖の状態です。放置すれば糖尿病につながる可能性があります。
筋肉を鍛えるなら、まずは太もも・お尻・ふくらはぎなど「下半身」から始めるのがおすすめです。なぜなら、体の中でも大きな筋肉の約6〜7割が下半身に集まっており、効率よく基礎代謝を上げてくれるからです。さらに血圧のコントロールにもつながるとされています。
実際、ハーバード大学の研究では、週に1〜59分の筋トレで糖尿病リスクが12%減少し、週150分以上では34%も減少したと報告されています。早速「3つのプチ筋トレ」を見ていきましょう。
まず最初におすすめしたいのが、椅子スクワットです。使うのは椅子1脚だけで、膝への負担を抑えながら太もも・お尻の大きな筋肉を鍛えられます。
<やり方>

回数: 1日10回〜
ポイント: 素早くやるより、ゆっくり動かす方が筋肉に刺激が届きます。
「料理の合間にもできる、手軽な運動はないですか?」
という方にオススメなのが、かかと上げです。ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、動かすほど全身の血流が促されるため、むくみ予防や血圧の安定にもつながります。
<やり方>

回数: 1日10〜20回
ポイント: テレビを見ながら・歯磨き中など、すき間時間で取り組めます。
🌀 上半身の筋トレも取り入れたいけど、腕立て伏せなんて私には絶対できない...
そう感じる方にこそ試してほしいのが、壁立て伏せです。壁を支えにすることで体への負担が軽減され、血圧への負担が少ない上半身のトレーニングです。
<やり方>

回数: 1日10回〜
ポイント: 慣れてきたら足を少し後ろに引くと負荷を調整できます。
力を入れる瞬間、グッと息を止めていませんか?
息を止めて力むと胸の内圧が高まり、血圧が上昇して心臓や血管に負担がかかりやすくなります。対策は「いーち!にーい!さーん!」と声に出しながら動くこと。たったこれだけで呼吸が自然と続き、フォームも安定します。
軽い運動とはいえ、関節や心臓への負担はゼロではありません。以下に当てはまる方は、自己判断せず、必ず医師にご相談ください。
□ 膝・腰・肩に強い痛みがある(変形性関節症など)
□ 収縮期血圧(上の血圧)が 180mmHg以上
□ 心臓の病気を指摘されたことがある
□ 「自分の状態でやっていいか不安」という方
気になることがあれば、ぜひ診察時にお声がけください。あなたに合った運動の取り入れ方を、一緒に考えていきます。
A. 両方を組み合わせるのがおすすめです。ウォーキングなどの有酸素運動は「食事で増えた血液中の糖」を消費し、筋トレは「糖を消費する力」そのものをつくります。ハーバード大学の研究でも、両方を週150分以上組み合わせると糖尿病リスクが59%低下したと報告されました。まずは、どちらか1つからでも始めてみましょう。
A. 床の腕立て伏せに比べて負荷が少なく、血圧が急上昇しにくいため、高血圧の方でも取り組みやすい運動です。ただし「息を止めず声に出して数える」は守りましょう。収縮期血圧180mmHg以上の方は、事前にご相談ください。
A. 筋肉は何歳からでも鍛えられます。加齢によって筋肉は衰えますが、高齢者でも適切な負荷で筋力トレーニングを継続すれば、筋力増強や筋肉量の増加が期待できると報告されています。「もう遅い」ということはありませんので、今日から少しずつ始めてみましょう。
健康寿命を延ばすための「貯筋(ちょきん)」は、今日から始められます。筋肉は何歳からでも鍛えられ、今日始めた一歩が将来の体を支えてくれます。
今回ご紹介した「椅子スクワット」「かかと上げ」「壁立て伏せ」は、どれもジムも道具もいらず、ご自宅で気軽に取り組めるものばかりです。まずは1つだけ、今日から試してみましょう。
春日すぐファミリークリニックは、お子さまからご高齢の方まで安心して通える、地域のかかりつけ医です。「運動してみたいけれど、自分の体に合うか心配…」そんな方も、ぜひ一度ご相談ください。あなたの体調に合った運動方法を、一緒に見つけていきましょう。
参考文献
Grontved A, et al. Weight Training and Risk of Type 2 Diabetes Mellitus in Men: A Prospective Study. Arch Intern Med. 2012.
厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023.
公益財団法人長寿科学振興財団「高齢者の筋力トレーニングの効果」