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COLUMN
総合診療
2025.9.24
公開日
2025.9.24
更新日
2026.2.7

こんにちは。春日すぐファミリークリニック院長の織田です。
最近、ご自身やご家族にこんな変化はありませんか?
🌀ちょっとしたことでイライラしてしまう
🌀元気がなく、ため息をつくことが増えた気がする
🌀夜によく眠れていないかも…
このような不調は、もしかしたら「更年期」を迎えつつあるサインかもしれません。
更年期には多くの女性がこうした心身の変化を感じやすくなり、「更年期障害」として治療が必要な場合もあります。
そこでこのコラムでは
これから更年期を迎える方
ご家族やパートナーに40〜50代の女性がいらっしゃる方
上記の方で、すでに何らかの不調を感じていらっしゃる方
に向けて、更年期障害の基本知識をわかりやすくお伝えします。
まずは正しく知って、この時期を上手に乗り越えていくためのヒントになれば幸いです。
ぜひ最後までお読みいただければと思います。
「更年期」とは、
閉経をはさんだ前後約10年間のこと
を一般的に指します。
日本人女性の閉経年齢は平均50歳前後とされているため、45歳から55歳頃に更年期を迎える方が多いと考えられています。

まずは最近のご自身を振り返ってみて、下記のような変化がないか、チェックしてみましょう。
□ 顔や上半身のほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)を感じる
□ 汗が急に出る
□ 手足が冷える
□ 怒りっぽくなった、イライラすることが多い
□ いつも不安感や憂うつな気分を感じる
□ やる気が起きず、疲れやすい
□ 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める
□ 動悸や胸がしめつけられるような感覚がある
□ 頭痛がよくある
□ 首や肩こりがつらい
□ 背中や腰の痛みがある
これらの心身の変化(症状)が日常生活に支障をきたすほど重い場合、更年期障害の可能性があります。

更年期障害の主な原因は、「エストロゲン」という女性ホルモンの減少です。
エストロゲンは卵巣で作られるホルモンで、月経や妊娠に関わるだけでなく、脳・心臓・骨など全身の働きを調整する役割もあります。
加齢とともに卵巣の機能が少しずつ低下することで、体内で働くエストロゲンも少なくなり、全身に様々な症状が現れます。

更年期障害の症状や程度には個人差があり、ほとんど症状を感じない方もいれば、日常生活に大きな影響を受ける方もいらっしゃいます。
またこうした症状は、他の病気が原因で現れることもあるため、きちんと診察を受けて判断することが大切です。
気になる症状がある場合は、早めに医療機関へ相談されることをおすすめします。
更年期障害のご相談で来院された患者さんには、まず詳しくお話を伺います。
症状の内容や程度、いつ頃から不調を感じているか、日常生活への影響などを問診でお聞きします。
血液検査では、エストロゲンや、エストロゲンの分泌を促すホルモン(FSH、LH)の値を調べることがあります(※1)。
※1 FSH:卵胞刺激ホルモン(Follicle Stimulating Hormone)、LH:黄体形成ホルモン(Luteinizing Hormone)
更年期障害の診断には明確な基準があるわけではなく、
症状
年齢
血液検査(エストロゲン、FSH、LHなど)
他の病気の可能性がないか
といった点を医師が総合的に判断し、卵巣機能の低下が主な原因とみられる場合に診断されます。
更年期障害の治療は①生活習慣の改善、②心理療法、③薬物療法の3つに大きく分けられます。症状の程度やライフスタイルに応じて、患者さんそれぞれに合った最適な治療法を選択していきます。
食事や運動を中心とした生活習慣の改善は、更年期障害の症状を和らげるために大切です。
また閉経を迎えると、高血圧や骨粗鬆症など生活習慣病のリスクが高まることも。
あらためて日頃の習慣を見つめ直し、バランスのよい食事と適度な運動で心身のキホンを整えましょう。

更年期はエストロゲンの減少だけでなく、
子育てがひと段落した
両親の介護が始まりそう
職場での責任が大きくなってきた
など、生活環境の変化やストレスが重なりやすい時期でもあります。
更年期障害ではこうした要因が複雑にかかわることで、症状の現れ方や重症度に影響すると考えられています。
そのため、カウンセリングや認知行動療法などの心理療法を試してみることも治療選択肢のひとつです。

ホルモン補充療法(HRT)(※2)
エストロゲンなどの不足しているホルモンを薬で補う治療法です。
ホットフラッシュや発汗などの症状に効果が期待できますが、年齢や持病によっては慎重な投与が必要な場合や投与できない場合もあるため、医師とよく相談することが大切です。
飲み薬・貼り薬・塗り薬などいろいろなタイプがあり、患者さんの体質や希望に応じて選択することができます。
※2 HRT:Hormone Replacement Therapy
漢方薬
心身のバランスを整える働きが期待できる治療法です。
更年期障害は身体と心の両方において、さまざまな症状が現れます。多様で、時間とともに変化する説明しづらい症状は「不定愁訴」とも呼ばれます。
漢方薬は、この不定愁訴を和らげることを目的として、いくつかの生薬を組み合わせて用いられることが多いです。
当院でも漢方薬のご相談を承っています。
その他の薬
症状に応じて、抗不安薬や抗うつ薬・睡眠薬の処方やプラセンタ療法などが行われる場合もあります。
プラセンタ療法とは、ヒトの胎盤(プラセンタ)から抽出したエキスを使った注射による治療法です。
当院でもプラセンタ注射による保険診療に対応しています。
気になる方はお気軽にご相談ください。

更年期は誰もが通る、人生の自然なタイミングです。この時期を迎えることは、決してネガティブなことではないと私は思います。
もし更年期障害の症状があったとしても、適切な知識を持ち、必要に応じて治療を受けることで快適な日々を目指せます。
大切なのは「一人で抱え込まない」こと。
ご自身が「最近なんだか不調で、つらいな」「もしかして更年期なのかも?」と感じていることがあれば、まずはぜひ、遠慮せず医療機関へご相談いただきたいと思います。
春日すぐファミリークリニックでは、お一人おひとりの症状に丁寧に向き合い、各種治療法の中からあなたに合った選択肢をご提案できるよう、心がけています。
漢方薬やプラセンタ療法など、詳しい説明をお聞きになりたい方は、どうぞお気軽にご来院ください。
症状には個人差があるため、他の方と比較して悩んだり判断したりすることはおすすめしません。
🌀たくさんの情報はあるけれど、自分に合った答えがわからない…
そんな今だからこそ、あなたの健康を考えるプロフェッショナルとして「かかりつけクリニック」を頼っていただければ幸いです。
前向きで健やかな毎日のために、スタッフ一同、全力でサポートいたします。
それではまた、次のコラムで!
参考文献
[1] 日本産科婦人科学会他 編: 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2023. [https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2023.pdf(2025年9月22日閲覧)]
[2] 日本産科婦人科学会生殖・内分泌委員会. 日産婦誌. 2001; 53(5): 883-888.
[3] 日本女性医学学会 監修: ホルモン補充療法を考えている方へ ホルモン補充療法の正しい理解をすすめるために ホルモン補充療法ガイドラインより. 株式会社協和企画. 2023. [https://www.jmwh.jp/pdf/hrt_guide_book.pdf(2025年9月22日閲覧)]