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COLUMN
総合診療
2026.5.17
公開日
2026.5.17
更新日
2026.5.16

こんにちは!春日すぐファミリークリニック 院長の織田です。
「塩分を控えてください」と言われると、食事がつまらなくなりませんか?
🌀 味が薄くて、食事がつまらない
🌀 大好きなラーメンを禁止された
高血圧の治療で、食事制限が大きなストレスだという方は多いです。
実は、減塩のコツは「何もかも我慢する」ことではありません。「塩分が隠れている場所」を知って、そこから減らしていくのがコツです。
今回は、当院で患者さんにいつもお伝えしている、「おいしいまま塩分を減らす3つのコツ」をご紹介します。
高血圧の方が目指したい1日の塩分量は6g未満です。一方で、日本人の平均摂取量は約9.7gと、目標の約1.6倍にもなっています。
ただ、いきなり「半分にしよう」と思うと続きません。大切なのは、塩分が大量に隠れている場所を知って、そこを重点的に減らすことです。今回は、塩分を減らしやすいポイントとして、「麺類」「味噌汁」「醤油」の3つを紹介します。次の項目から、具体的な工夫をお伝えします。
▶ あわせて読みたい【2025年最新】血圧の目標値が「130/80」へ|新基準と食事のポイント
うどんやそば、ラーメンは、汁まで全部飲み干すと、それだけで1食5〜7gと1日の塩分量のほぼ全量を取ってしまうこともあります。ラーメン文化の根付く福岡では、特に意識したいポイントです。
自治体や医療機関の試算では、麺類の汁を全部残せば約50%、半分残せば約30%の塩分カットになるとされています。

「もったいない」と思わず、「血管のために」残しておきましょう。
食べる回数自体を見直すのもおすすめです。毎日食べているなら週2回、週1回なら隔週など、減らすのは少しだけでもOKです。
「味噌汁は体に良いから」と毎食飲んでいませんか?
確かに発酵食品で体にはいいと言われる一方で、味噌汁1杯にはおよそ1.2〜1.5gの塩分が含まれます。3食飲めば、それだけで1日の目標の半分以上です。
おすすめは、味噌汁を「飲む」のではなく「食べる」料理に変える発想です。汁は一口二口だけ楽しんで、残りはお椀に残します。その代わり、野菜・きのこ・海藻などの「具」をたっぷり食べるようにしてみてください。
具が多いほど味噌の風味を楽しめますし、野菜のカリウムには余分な塩分を体の外へ出す作用があります。ただし、腎臓の病気などでカリウム制限を受けている方は、医師の指示に従ってください。
お刺身や焼き魚、つい醤油をたっぷりかけてしまいますよね。
醤油は、塩分量が多い調味料の代表です。これを「お酢(酸味)」に置き換えるだけで、薄味でも満足感が変わってきます。意外に思われるかもしれませんが、酸味には塩味を強く感じさせる働きがあることが、食品メーカーの研究でも報告されています。
具体的には次のような置き換えがおすすめです。

醤油からポン酢に置き換えるだけでも塩分は約半分になります。ただし、商品によって塩分の含有量に差があるため、ラベルの「食塩相当量」を見る習慣をつけましょう。
外食やコンビニ食が中心の日は、「何を選ぶか」が大切です。
<選ぶポイント>
①パッケージの「食塩相当量」を見る
②加工食品(ハム・ソーセージ・練り物)を控えめにする
加工食品は見た目が薄味でも、保存性のために多くの塩が使われています。
外食でも、丼ものより定食を選んで漬物を残す、汁物は飲み干さない、といった小さな選択で、1食あたり1〜2g程度塩分を減らせることがあります。すべてをきっちりやろうとせず「今日のこの1食だけ気をつけてみよう」くらいの気持ちで大丈夫です。
A. 減塩醤油でも、使う量には気を配りたいところです。
減塩醤油は通常の醤油より塩分が半分程度のものが多いです。ただし、量を増やしてしまうと、せっかくの減塩効果が薄れてしまいます。「使う種類を変える」+「使う量を減らす」のセットで考えてみてください。
A. ラーメンをよく食べる方は、まずは「ラーメンの汁を残す」から始めるのがおすすめです。
3つのコツの中でも実践しやすく、塩分カットの効果が実感しやすい方法だからです。慣れてきたら、他のコツも少しずつ取り入れてみてください。
A. 早ければ1週間ほどで血圧が下がり始めるという研究報告があります。
ただし大きな効果を実感するには4週間以上の継続が目安です。研究では、4週間以上減塩を続けることで収縮期血圧(上の血圧)が4〜5mmHgほど下がると報告されています。
すぐの変化を期待せず、まずは1か月続けてみることを目指しましょう。
最後に今日のポイントをまとめます。
✅ 1日の塩分目標は6g未満(日本人平均は9.7g)
✅ ラーメンの汁は残す
✅ 味噌汁は具だくさんにして汁を残す
✅ 醤油の代わりに酢・ポン酢・レモンを使う
「おいしいところ(麺や具)は食べて、塩分の多いところ(汁)だけ残す」。これなら、ストレスなく続けられそうではないでしょうか。
当院では、ただ「塩を減らしてください」と言うだけでなく、あなたの食生活に合わせた具体的な工夫を一緒に考えます。気になることがあれば、診察室で遠慮なくご相談ください。
ぜひ今日の食事から、できそうなことを1つだけでも試してみてくださいね。
【参考文献】
日本高血圧学会 減塩・栄養委員会「ナトリウム(食塩)の減らし方」
厚生労働省 e-ヘルスネット「栄養・食生活と高血圧」
厚生労働省「令和4年(2022)国民健康・栄養調査結果の概要」
国立循環器病研究センター「減塩食について」
京都市「麺類・汁物の摂取塩分を減らすコツ」
近藤今子, 小嶋汐美.「麺料理摂取時における意識的に汁を飲まない場合の汁および汁からの食塩摂取量」東海公衆衛生雑誌. 2018;6(1):70-77.
ミツカングループ「塩味と酸味のいい関係 食酢の減塩効果」
Aburto NJ, et al. Effect of lower sodium intake on health: systematic review and meta-analyses. BMJ. 2013;346:f1326.
He FJ, Li J, MacGregor GA. Effect of longer term modest salt reduction on blood pressure: Cochrane systematic review and meta-analysis of randomised trials. BMJ. 2013;346:f1325.
Gupta DK, et al. Effect of Dietary Sodium on Blood Pressure: A Crossover Trial. JAMA. 2023;330(23):2258-2266.