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子育て
2026.8.4
公開日
2026.8.4
更新日
2026.7.30

こんにちは!春日すぐファミリークリニック 小児科専門医の島田です。
🌀 子どもが口の中を痛がっていて、水も飲んでくれない…
🌀 園で手足口病が流行っていると聞いたけど、この発疹もそう…?
そんな心配で、この記事にたどり着いた方もいるかもしれません。
2026年の夏は、手足口病が2年ぶりに流行しています。当院がある福岡県内でも、1つの医療機関から週に5人以上の報告が続く「警報レベル」となりました。
手足口病の多くは、数日で自然に回復します。ただし、口の痛みで水分がとれないときは、脱水に注意が必要です。
そこでこの記事では、手足口病の概要、家庭でのケアをやさしくお伝えします。
後半には受診の目安のチェックリストもあるので、お子さんの様子と見比べながら読んでみてくださいね。
手足口病は、名前のとおり口の中や手足に発疹が出る、夏に流行するウイルス性の感染症です。
かかるのは4歳くらいまでの幼児に多く、特に2歳以下が多い病気です。ただし、学童や大人がかかることもあります。保育園・幼稚園、家庭内などで、移って広がっていきます。
原因になるウイルスにはいくつかの型があるため、一度かかっても、別の型でまたかかることがあります。ウイルスそのものを治す薬はなく、治療は水分補給など、つらい症状を和らげることが中心です。
でも、手足口病の多くは、3〜7日ほどで自然に治っていきます。
発熱は約3人に1人にみられますが、38℃以下のことが多いとされています。
だからこそ、治るまでの間の「お家での見守り方」を知ることが大切です。
発疹が出やすいのは、病名の通りで手のひら・足のうら・口の中の3か所です。
小さな水ぶくれのようなポツポツが現れます。
おしりやひざなど、手足以外に発疹が出ることもあります。発疹の数だけで病気の重さは判断できませんが、急速に広がる、強く痛がるなどの場合はご相談ください。

注意したいのが口の中の発疹です。
口の中が痛むと、お子さんが飲んだり食べたりを嫌がるようになり、水分を飲めなくなると、脱水につながることがあります。
水分がとれない状態が続いて脱水が進むと、点滴や入院が必要になることもあります。
一方で、水分がとれ、尿が出ていて、普段に近い反応や元気が保たれていれば、ご家庭で経過をみられることが多いです。
ご家庭でできる工夫を3つ紹介します。

痛む口でも通りやすいことが多いのが、冷たくてツルンと飲み込めるものです。
冷たいゼリー、プリン、冷ましたお豆腐やスープなどがおすすめです。
反対に、刺激が強いもの(酸味、塩味が強いもの)や熱いものは傷にしみやすいので、この時期は避けてあげてください。
一度にたくさん飲めなくても大丈夫です。
スプーン1杯、ストロー1口を、例として5〜10分おきにこまめに含ませてあげましょう。
少しずつでも、回数を重ねれば必要な水分は補えます。
母乳やミルク、経口補水液など、年齢に合った飲み物を少量ずつ与えてください。
外来でも、「ご飯を食べないんです」とご相談を受けることがよくあります。
でも、まず確認するのは、食べている量よりも「水分を飲めているか」と「おしっこが出ているか」です。
数日ごはんが進まなくても、水分がとれていれば、体調の回復に合わせて、食欲も少しずつ戻ることが多いです。
手足口病の多くは、数日で自然に治っていきます。
ただ、「脱水が進んだサイン」と、ごくまれにある「重い合併症のサイン」だけは知っておいてください。
手足口病では、まれにウイルスが脳や神経に入り、髄膜炎(ずいまくえん)や脳炎を起こすことがあります。
下の図で、お家で様子を見てよいときと受診をすべきときを見分けましょう。

水分がとれ、尿が出ていて、普段に近い反応があり、ほかに強い症状がなければ、ご家庭で経過をみられることが多いです。
一方で、右側のサインに心当たりがあるときは、次のチェックリストで具体的に確かめてください。
当てはまるときは、時間外でも受診をためらわないでくださいね。
【脱水が進んだサイン】
✅ おしっこが半日以上出ていない
✅ 泣いても涙が出ない、口の中が乾いている
✅ 水分を受けつけない、ぐったりして反応が弱い
【まれな合併症のサイン】
✅ 高い熱が3日以上続いている、何度も吐く
✅ 頭を強く痛がる、視線が合わない
✅ けいれんする、歩き方がフラフラする
なかでも、視線が合わない、けいれん、歩き方の異常が見られるときは、回復を待たずに救急要請も検討しましょう。
Q. 保育園・幼稚園には、いつから行けますか?
A. 発疹が残っていても、熱がなく、いつもどおり食事がとれていれば登園できます。国のガイドラインでも、全身の状態がよければ登園可能とされています。
「発疹が全部消えるまでお休み」ではありません。
ただ、園ごとに独自のルールがあることもあります。
通っている園にも一度確認してみてくださいね。
Q. 家族にもうつりますか?
A. うつります。
とくに気をつけたいのが、症状が治まったあとです。便からは、その後も2〜4週間ほどウイルスが出続けます。おむつ替えのあとの手洗いを家族みんなで徹底することが、家庭内でうつるのを防ぐポイントです。
大人がかかると、お子さんより症状が強く出ることもあります。
高い熱が出たり、手足の発疹が強く痛んで歩きにくくなったりすることもあるため、油断は禁物です。
Q. 治ったあとに、爪がはがれてきました。大丈夫でしょうか?
A. 多くは心配いりませんが、爪の周りが赤く腫れる、膿が出る、強く痛がる場合はご相談ください。
手足口病のあと、1〜2か月ほどして爪が浮いたり、はがれたりすることがあります。これは治っていく過程で起こるもので、下から新しい爪が自然に生えてきます。
あわてず見守ってあげてください。
最後に、今日のポイントをまとめます。
✅ 手足口病は特効薬がなくても、多くは1週間ほどで自然に治る
✅ 特に気をつけたいのが脱水。冷たくツルンと飲めるものを、チビチビこまめに
✅ おしっこが半日出ない・ぐったりなどのサインは、ためらわず受診を
熱の高さや発疹の数より、「飲めているか・おしっこが出ているか」を見てあげてください。それが、お家で落ち着いて乗り切る手がかりになります。
当院は小児科の診療も行っており、こうした夏の感染症のご相談にも対応しています。
「これって手足口病かな?」「水分が足りているか心配…」というときは、どうぞお気軽にご相談ください。
それではまた、次のコラムで!
▼あわせてこちらもご覧ください
【参考文献】
手足口病(詳細版)|国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報提供サイト(2025年7月更新)
手足口病|国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報提供サイト(2025年7月更新)
保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版・2023年一部改訂)|こども家庭庁
経口補水液と脱水症|大阪小児科医会(2013
福岡県感染症情報(週報・定点当たり報告数・2026年)|福岡県保健環境研究所