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総合診療
2026.6.8
公開日
2026.6.8
更新日
2026.6.8

こんにちは!春日すぐファミリークリニック 院長の織田です。
前回のコラムでは、「汁(つゆ)を残す」「ポン酢を活用する」という減塩の基本のお話をしました。「これなら続けられているよ!」という嬉しいお声も届いています。
その一方で
🌀 麺の汁を残すのには慣れてきたけれど、他にできることはないの?
🌀 ちゃんと減塩しているつもりなのに、健診で塩分を見直すように言われてしまった…
このような声も聞かれます。 実はパンや練り物、ハムなど、塩辛さを感じにくい食品の中にも、塩分は潜んでいます。これがいわゆる「隠れ塩分」です。
今回は、さらに一歩進んだ「減塩テクニック・上級編」として、毎日の食事に隠れている塩分を見つけ出して、賢く回避するためのコツを4つご紹介します。
▼参考コラム
【医師が教える】ラーメンも味噌汁も諦めない|続けられる減塩3つのコツ
「隠れ塩分」とは、見た目や味では塩辛さを感じないのに、しっかり塩分が含まれている食品を指します。パンや麺、練り物、ハムなどがその代表例です。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、1日の食塩摂取量の目標は、男性が7.5g未満、女性が6.5g未満と定められています。一方で、日本の男性は10.7g/日、女性は9.1g/日と、目標を大きく上回っているのが現状です。つまり多くの方が、目標より2〜3gほど多く塩分を摂っています。
さらに気をつけたいのが、パンや練り物などの「加工食品」に含まれる塩分です。意識して醤油などの調味料を控えていても、実は塩分の多くを加工食品から摂ってしまっているケースが少なくありません。
ここからは、その「見えない塩分」を回避するための、4つのコツをお伝えしていきます。
練り物やハム・ソーセージは塩分の多い食品の代表格です。かまぼこやちくわなどの練り物、ハムやウインナーなどは、保存性や食感を高めるために、多くの塩分が使われています。
具体的な数字を見てみましょう。

「ハム+ちくわ」を朝に並べただけで、1日の目標の1/6以上が消えてしまう計算です。
そこでおすすめしたい工夫が、次の2つです。
なるべく加工されていない「生のお肉」や「魚」を選ぶ
どうしても使うときは、サッと下茹で(湯通し)をする
お湯に通すだけで、表面についた余分な塩分や脂を落とせます。
🌀 毎日下茹では、正直しんどい…
その気持ち、よく分かります。毎日でなくても大丈夫です。まずは「週に1回分減らす」ことから始めましょう。
「朝はパン派」という方も多いと思いますが、実は食パン1枚(6枚切り)には約0.8g、4枚切りなら約1gもの塩分が含まれています。
パンそのものに塩味がついているため、さらに有塩バターやチーズ、ハムなどを足すと、あっという間に塩分オーバーになります。そのため、パンのトッピングは、以下の形で置き換えを試してみましょう。
これなら塩分を増やさずに、風味や満足感も残しやすくなります。

醤油やソース、ドレッシングを料理の上から豪快に「回しかけ」していませんか?
上からかけると料理全体にまんべんなく味がついてしまい、どうしても量が多くなりがちです。
そこでおすすめしたいのが、「かける」から「つける」への切り替えです。
小皿を用意して、調味料はそこに出す
お刺身や餃子のように、料理をチョンチョンと「つけて」食べる
これだけで、調味料の使用量は半分以下になるとされています。

🌀 チョンチョンとつけるだけだと物足りなくないですか?
そう感じた方へ。最初の数日は少し物足りなく感じるかもしれません。でも、慣れてくると素材そのものの味が分かるようになり、薄味が心地よく感じる方も多いです。
「味が薄いと、どうしても物足りない…」 そんな時は、塩以外の刺激で満足感を補いましょう。塩の代わりにこんな食材を使ってみてください。
香辛料:コショウ、カレー粉、七味唐辛子
香味野菜:シソ(大葉)、ミョウガ、ネギ、ショウガ、ニンニク
酸味:レモン、カボス、お酢
特にカレー粉とシソは、塩味が薄くても風味が豊かになり、満足感が得られやすいです。「いつものお吸い物に七味」「焼き魚にカボス」「サラダにレモン」のように、ちょい足しから始めてみましょう。
ゼロを目指す必要はありません。健康な方の目標は、男性7.5g未満/女性6.5g未満(厚労省)です。塩分は身体にとって欠かせないミネラルでもあるため、極端に減らしすぎるとかえって体調を崩す原因にもなります。「ゼロにする」ではなく「摂りすぎを防ぐ」のが減塩の本来の目的、と覚えておきましょう。
そんな方にお伝えしたいのは、「全部一度にやらなくても大丈夫」ということです。今回のコラムで紹介した4つのコツや、前回のコラムで紹介した3つのコツの中から、取り入れやすいものを「1つだけ」選んで、まずは1週間試してみてください。1つが習慣になってから2つ目に進むほうが、結果として長く続きます。
もちろんあります。外食でできる小さな工夫を、3つだけご紹介します。
ラーメンや丼ものより、定食スタイルを選ぶ
麺類のスープや汁物は、半分ほど残す
コンビニ食品やお弁当の食塩相当量を一度だけ確認してみる
「全部完璧」を目指さなくても大丈夫です。1日のうち、どこか1食だけでも意識してみてくださいね。
今回は、毎日の食事に潜む隠れ塩分を回避するコツを4つお伝えしました。
調味料は「かける」より「つける」に変える
物足りないときは、香り・酸味・辛味で満足感を補う
練り物やハムは、下茹でのひと手間を加える
パンにも塩分があると知って、トッピングを置き換える
どれもが、「我慢」ではなく「選び方」を変える工夫です。全てを一度に変えなくても大丈夫です。まずは今日の食事から、できそうなものを一つ試してみましょう。
春日すぐファミリークリニックでは、高血圧の血圧管理や、生活習慣病の食事指導にも対応しています。
減塩は、頑張りすぎず長く続けることが何より大切です。ご自身のペースで、できることから一緒に取り組んでいきましょう。
【参考文献】
厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2025年版).2024.
厚生労働省.令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要.2024.
文部科学省.日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年.2023.
日本高血圧学会 減塩・栄養委員会.減塩に関する一般のみなさまへの提言.