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COLUMN
総合診療
2026.8.31
公開日
2026.8.31
更新日
2026.8.28

こんにちは!春日すぐファミリークリニック 院長の織田です。
🌀 血圧を下げるには、まず痩せましょうって言われたけど…
🌀 食事制限なんて、どうせ続かない気がする…
診察室で体重の話になると、耳が痛いと感じる方は多いのではないでしょうか。でも、いきなり食事を大きく変える必要はありません。
毎日の食事の「選び方」を少し変えることでも、血圧や体重を無理なく下げやすくなります。今回は、体重と血圧の関係と、身近なスーパーで買えるものでできる食事のコツをお伝えします。
体重が多めの方では、体重を1kg減らすと、上の血圧(収縮期血圧)はおよそ1mmHg下がると報告されています。
🌀 たった1mmHgなら、意味がない気がする…
そう感じますよね。ただ、この1mmHgは体重を減らした分だけ積み重なるとされています。高血圧のガイドラインでも、減量は薬だけに頼らず取り組める治療の1つという位置づけです。
内臓脂肪は血圧を上げる方向に働くことがわかっています。過体重や肥満がある方では、体重を適正な範囲に近づけることで、血圧の改善につながることがあります。

ただし、お薬を減らせるかどうかは、血圧の経過を見ながら医師が判断します。自己判断で中断せず、まずは体重から一緒に整えていきましょう。
魚や野菜、豆類、全粒穀物、ナッツ、オリーブオイルなどを取り入れる地中海食の考え方も、血圧を含む健康管理に役立つ食事パターンとして研究されています。外国の食事と聞くと難しそうに感じますが、中身は日本の食卓と相性が良く、いつものスーパーで手に入るもので始められます。

メインのおかずを、ハンバーグから「サバの塩焼き」や「アジの開き」にする日を増やしてみましょう。青魚の脂に含まれるEPA・DHA(血液や血管の健康に関わる脂肪酸)を無理なく取れます。調理が面倒な日は、サバ缶で構いません。缶の汁ごとみそ汁や炊き込みご飯に加えれば、手間をかけずに一品になります。
なお、アジの開きなどの干物は塩分が多めです。取り入れる日は、汁物やほかのおかずの塩分を控えめにしてバランスを取りましょう。
炒め物やドレッシングには、サラダ油の代わりにオリーブオイルを使ってみてください。オリーブオイルを日常的に使う食事は、心臓や血管の病気の予防につながると報告されています。ボトルを1本替えるだけなので、今日から始められます。ただし、油は種類だけでなく使う量にも注意しましょう。
🌀 ナッツって、カロリーが高いんじゃ…?
たしかに、食べすぎれば太ります。だからこそ目安は「片手に軽くひとつかみ」です。おやつのスナック菓子を、塩のついていない「素焼き」のナッツに置き換えてみましょう。
そして朝ご飯には、豆を手軽に取れる納豆ご飯が心強い定番です。タレを全部使わず、薬味などで味を足す方法もあります。
なお、血液を固まりにくくするお薬「ワルファリン(ワーファリン)」を飲んでいる方は、納豆を避ける必要があります。納豆に含まれるビタミンKがお薬の働きを弱めてしまうためで、少量でも影響が数日続くとされています。該当する方は豆腐や煮豆で豆を取り入れ、食事で気になることがあれば主治医や薬剤師に確認してみてください。
体重を落とすには炭水化物を少し減らすことも大事ですが、その前に「質」を見直してみましょう。同じ主食でも、選び方によって食後の血糖値の上がり方が変わり、太りやすさにも影響するとされています。
福岡はうどんの町ですが、体重と血管のことを考えるなら「そば」という選択肢があります。そばはうどんより食物繊維やミネラルが多い主食です。食物繊維が多いと、食後の血糖値の上昇が緩やかになりやすいといわれています。ランチで迷ったときは、そばを選んでみてください。
なお、市販のそばには小麦粉の割合が多い商品もあります。そば粉の多い「二八」や「十割」を選ぶと、そばの良さを生かしやすくなります。そばアレルギーのある方は無理をせず、次にご紹介する主食の工夫から始めましょう。
主食の色を「白」から「茶色」に寄せるのも、続けやすい工夫の1つです。

玄米・雑穀米や全粒粉パンなどの茶色い主食は食物繊維が多く、腹持ちの良さが特徴です。自然と間食が減る方も少なくありません。毎食でなくても、まずは1日1食からで十分です。
高血圧と食事について、外来でよくいただく質問にお答えします。
高血圧の場合は、減塩(1日6g未満が目標)が基本とされています。ただ、どちらか一方を選ぶ話ではありません。今回ご紹介した置き換えは減塩と並行して進められるものばかりなので、できそうなところから同時に取り入れてみてください。
飲みすぎは、血圧にも体重にも影響します。飲む量を減らし、おつまみを揚げ物から枝豆・冷奴・焼き魚に替えるところから始めてみましょう。
お酒との付き合い方は、こちらのコラムで詳しくお伝えしています。
食事から始めて大丈夫です。慣れてきたら1日10分の早歩きを足すと、減量が進みやすくなります。順番は「できそうなことから」で構いません。
自宅でできる運動は、こちらのコラムでご紹介しています。
▶【医師監修】血糖値・血圧を自宅で下げる「おうち筋トレ」3選
食事の見直しは、一度に全てを変えず、続けられる範囲で十分です。今回ご紹介したのは、ランチのうどんをそばに、炒め油をオリーブオイルに替えるなどの小さな工夫です。体重が1kg減れば、血圧はおよそ1mmHg下がるといわれています。小さな置き換えの積み重ねが、その1kgをつくります。
まずはできそうなこと1つから始めて、体重計に乗るのが少し楽しみになる日を一緒に目指しましょう。
春日すぐファミリークリニックでは、「コンビニならどれを選ぶか」「おつまみはどうするか」といった、患者さんの生活に合わせた食事のご相談にも対応しています。血圧や体重が気になり始めた方は、まずはお気軽にご相談ください。
当院は土曜日も【17:30まで】受け付けています。
▼こちらもぜひご覧ください
参考文献
高血圧管理・治療ガイドライン2025(日本高血圧学会)
Influence of Weight Reduction on Blood Pressure 2003(米国心臓協会誌 Hypertension)
Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet 2018(米国医学誌 NEJM)
e-ヘルスネット「高血圧」(厚生労働省)
e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」(厚生労働省)
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省)
PMDA ワルファリンQ&A