春日すぐファミリークリニック

クリニック案内

COLUMN

コラム

インフルエンザ検査が陰性でも熱が下がらないときは?翌日に陽性になることも

  • 総合診療

2026.10.26

公開日

2026.10.26

更新日

2026.10.24

こんにちは!春日すぐファミリークリニック 院長の織田です。

🌀 熱が高いのに検査は陰性。本当にインフルエンザじゃないの? 

🌀 翌日もう一度検査したら陽性に。最初の検査は見逃しだったのかな…


検査の結果が1日で変わると、戸惑いますよね。実は、陰性のあとに陽性になるのは、診療の現場では珍しいことではありません。


今回は、インフルエンザ検査が陰性でも熱が下がらない理由と、翌日の再検査や受診の目安をお伝えします。

🔸 インフルエンザ検査の「陰性」は、かかっていないという意味ではありません

クリニックで行うインフルエンザの検査は、鼻の奥を綿棒でぬぐい、ウイルスの成分を調べる「迅速抗原検査」です。10〜15分ほどで結果が出る便利な検査ですが、100点満点ではありません。


結果は、次のように読むのが正確です。

インフルエンザ迅速検査の結果の読み方を示した図解。陽性は「インフルエンザにかかっている可能性が高い」、陰性は「かかっていないとは言い切れない。今はウイルスが見つからなかっただけ」と説明している。

陰性は「今は網にウイルスが引っかからなかった」というだけで、体の中にウイルスがいない証明にはなりません。研究によって検査方法・対象者・流行状況などの差はありますが、海外の報告では、インフルエンザにかかっている方でも、検査で陽性と出たのは6割ほどでした。大人は子どもより陽性が出にくいという報告もあります。

🔸 陰性のあとに陽性になる理由と、検査を受けるタイミング

同じ方でも、検査を受ける時間や方法によって結果が変わることがあります。主な理由は次の2つです。

① 熱が出てすぐは、ウイルスの量が少ない

インフルエンザウイルスは、体に入ってから鼻やのどで増えていきます。熱が出始めたばかりの時間帯は、ウイルスの量がまだ少なく、検査で見つからないことも珍しくありません。


大人を中心に調べた研究では、症状が出てから24時間たつまでは、インフルエンザにかかっている方でも陽性と出たのは4割ほどでした。24時間を過ぎると、6〜7割に上がっています。

インフルエンザ迅速検査で、発症からの時間ごとに陽性と出た割合を示したグラフ。12時間未満は約39%、12〜24時間は約41%、24〜48時間は約65%、48時間以降は約70%で、時間がたつほど陽性と出やすくなることを示している。

そのため、検査を受けるなら、症状が出てから半日〜1日ほどたってからが目安です。ただし、つらい症状があるときや、重症化しやすい方は、時間を待たずに受診してください。

② 検査キットや、ぬぐい取れたウイルスの量で差が出る

検査キットは複数のメーカーから出ていて、見つけられるウイルスの量にはキットごとに差があります。鼻の奥からぬぐい取れたウイルスの量も、結果を左右する要素のひとつです。

🔸 陰性でも、インフルエンザと診断することがあります

陰性のときは、新型コロナやほかのウイルスによる風邪など、インフルエンザ以外の病気で熱が出ている可能性もあります。検査キットの結果は大切な手がかりですが、それだけでインフルエンザかどうかが決まるわけではありません。


検査が陰性でも、次のような場合はインフルエンザの可能性が高いと考えて治療を進めることがあります。


  • 家族や職場に、インフルエンザと診断された方がいる

  • 地域でインフルエンザが流行している

  • 急な高熱に、関節や筋肉の痛み、強いだるさを伴う 


受診したときは、熱が出た時間や、身近にインフルエンザの方がいるかどうかを伝えていただくと、判断の手がかりになります。

🔸 陰性でも、翌日に必ず再検査が必要とは限りません

持病がなく、症状が落ち着いている方なら、陽性かどうかを確かめるためだけに翌日もう一度受診しなくてもよい、というのが私の考えです。その理由は、インフルエンザの薬の役割にあります。

インフルエンザの薬を使うと、熱が1〜2日早く下がる

インフルエンザの薬は、全ての方に必要な薬ではありません。インフルエンザは多くの場合、4〜5日ほど熱などの症状が続いたあと、自然に良くなる病気だからです。抗インフルエンザ薬には飲み薬や吸入薬があり、発症から48時間以内に使い始めると、熱が出ている期間が1〜2日ほど短くなるとされています。


薬で重症化を防ぐ働きがあるとされているのは、高齢の方や小さなお子さんなど、重症化しやすい方です。厚生労働省も、抗インフルエンザ薬は全ての方に必須ではなく、医師の判断で使う薬としています。持病がなく重症化しにくい方の多くは、薬を使わなくても、ご自身の免疫で回復していくことが多いです。

インフルエンザの熱が続く期間を比べた図解。薬を使わなくても多くは4〜5日ほどで自然に良くなり、発症から48時間以内に抗インフルエンザ薬を使い始めると、熱の期間が1〜2日ほど短くなることを示している。

家で休むときのポイント

熱が出ている間は、水分をこまめに取り、眠れるときに眠って体を休めましょう。解熱鎮痛薬は、年齢や妊娠の有無、持病、ほかに飲んでいる薬によって選び方が変わります。市販薬を使う場合は、成分や用量を確認し、迷うときは医師や薬剤師に相談してください。アセトアミノフェンを含む薬を重ねて飲まないよう注意しましょう。


なお、解熱鎮痛薬の成分に気をつけたいのは、一部の解熱鎮痛薬で、子どもにおいてインフルエンザ脳症との関連が指摘されたことがあるためです。手元の市販薬の成分が分からないときは、パッケージを持って薬局で確かめてもらうと安心です。

重症化しやすい方は、早めにご相談ください

高齢の方や乳幼児、妊娠中の方、ぜんそくや糖尿病、心臓や腎臓の病気など持病のある方は、重症化しやすいとされています。翌日まで待たずに、受診や電話での相談を考えてみてください。


ご本人に持病がなくても、ご家族に重症化しやすい方がいる場合は、うつさないための過ごし方を一緒に考えます。

🔸 再受診の目安|すぐ受診したいサインと、2〜3日で良くならないとき

もう一度受診するタイミングは、症状によって2つに分かれます。


《 すぐに受診してほしいサイン 》


✅️ 息が苦しい、呼吸が速い

✅️ 胸の痛みが続く

✅️ 意識がぼんやりする

✅️ 吐き気や下痢が続き、水分が取れない

✅️ 症状が悪化してきた


これらは、肺炎などの合併症のサインの可能性があります。様子を見ずに、医療機関を受診するか、緊急性が高い場合は119番も検討してください。 


《 2〜3日たっても良くならないとき 》 

上のサインがなくても、2〜3日たって熱や症状が全く良くならない場合は、再受診を考えてみてください。インフルエンザ以外の病気や、こじらせている可能性も含めて、診察で確かめます。

🔸 よくいただくご質問

Q.検査が陰性でも、インフルエンザを周りの人にうつすことはありますか?

うつす可能性はあります。陰性はウイルスがいない証明ではないためです。熱やせきがあるうちは、家の中でもマスクや手洗いで、ご家族にうつさない工夫を続けましょう。インフルエンザのウイルスは発症後3〜7日ほど鼻やのどから出るといわれ、熱が下がったあとも続くことがあります。


また、熱が出ているときは、インフルエンザでなくても何らかのウイルスに感染している可能性が高い状態です。検査の結果にかかわらず、発症から1週間ほどはマスクを着けて過ごすことをおすすめします。

Q.陰性だったら、翌日は仕事に行っても大丈夫ですか?

熱があるうちは、無理に出勤しないようにしましょう。陰性でも、インフルエンザにかかっている可能性は残るためです。

Q.会社から「陰性証明」を出すように言われたら?

厚生労働省では、職場が陰性証明や治癒証明を求めることは望ましくなく、提出は不要としています。ただし、職場独自の案内がある場合は、まず担当部署にも確認しましょう。なお、医療機関で陰性証明書を発行する場合は、文書料として費用がかかることがあります。

🔸 まとめ|陰性の結果より、体のサインに目を向けましょう

陰性という結果は、インフルエンザかどうかを判断する大切な材料です。ですが、それ以上に目を向けてほしいのは、今の体の状態です。全員が翌日もう一度検査を受ける必要があるとは限りません。


まずは、熱があるうちは無理をせず体を休めましょう。ただし、息苦しさなどのサインがあるときは、様子を見ずにすぐ受診してください。そこまでではなくても、2〜3日たって良くならない場合は、一度診察で確かめると安心です。


春日すぐファミリークリニックでは、発熱外来で急な熱やせきのご相談に対応しています。土曜日も【17:30まで】受け付けているので、週末に熱が続いて心配なときもご相談ください。


【福岡県春日市】ご相談・ご予約はこちらから


▼こちらもぜひご覧ください

【飲めば早く治る?】風邪に抗生剤が効かない理由と正しい使い方 

チームで防ごう!家族みんなのインフルエンザ対策5選


【参考文献】

  1. Accuracy of Rapid Influenza Diagnostic Tests: A Meta-analysis 2012(米国内科学会誌 Annals of Internal Medicine)

  2. 発症から検査までの時間がインフルエンザ迅速抗原検査に与える影響:前向き観察研究 2021(感染症学雑誌)

  3. ウイルス感染症の迅速診断キットに関する研究 2013(厚生労働科学研究 分担研究報告書)

  4. 令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A(厚生労働省)

  5. インフルエンザによる発熱に対して使用する解熱剤について 2001(厚生労働省)

  6. 急な発熱と咳(せき)やのどの痛み「インフルエンザかな?」症状がある方々へ 受診と療養の手引き(厚生労働省)

  7. インフルエンザウイルス抗原迅速診断検査利用法—最適な検査時期についての1考案— 2004(感染症学雑誌)

  8. Influenza (seasonal) 2025(世界保健機関 WHO)

keyboard_arrow_up

ネット予約

arrow_forward