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こんにちは!春日すぐファミリークリニック 院長の織田です。
🌀 最初から薬が2種類なんて、私の血圧はそんなに悪いの…?
🌀 薬が増えるほど、副作用も心配…
高血圧の治療を始めるとき、あるいはお薬を見直すときに、こうした不安を口にされる方が増えています。「薬の数=病気の重さ」と感じてしまいますよね。
実は最近の高血圧治療では、働きの違う2種類の薬をそれぞれ少なめの量で組み合わせる方法が珍しくありません。今回は、なぜ薬が1つではなく2つなのか、その理由をわかりやすくお伝えします。
血圧の高さや目標との差、持病などに応じて、治療の初めから2種類の薬を使う場合があります。1種類で始め、効果を確認してから追加するのが、基本的な進め方です。
2025年に改訂された日本のガイドラインでも、血圧が十分に下がらない場合には、早めに薬の増量や併用を検討する方針が示されています。
薬が2種類だからといって、それだけで重症とは限りません。血圧や体の状態に合わせて、薬の種類や量を選択します。
2種類といっても、実際にどんな組み合わせなのかは気になりますよね。日本のガイドラインで推奨されている代表的な組み合わせは、次の3つです。中でも1つ目は、最も推奨されている組み合わせとされています。
組み合わせ | 薬の種類の名前 |
|---|---|
血管を広げるお薬 + ホルモンの働きを抑えるお薬 | 血管を広げるお薬 + ホルモンの働きを抑えるお薬 |
ホルモンの働きを抑えるお薬 + 塩分を出すお薬 | ARB・ACE阻害薬 + 利尿薬 |
血管を広げるお薬 + 塩分を出すお薬 | Ca拮抗薬 + 利尿薬 |
右の列は、お薬手帳や説明書に載っている薬の種類の名前です。それぞれの読み方と役割は次のとおりです。
Ca拮抗薬(カルシウムきっこうやく):血管を広げて血圧を下げるお薬
ARB(エーアールビー)・ACE阻害薬(エースそがいやく):血圧を上げるホルモンの働きを抑えるお薬
利尿薬(りにょうやく):余分な塩分と水分を体の外に出して血圧を下げるお薬
どれも「血管」「ホルモン」「塩分」のうち、違う原因に働きかける薬どうしを組み合わせています。
反対に、同じ働きの薬どうし(ホルモンの働きを抑えるお薬2種類など)は、副作用が増えやすいため一緒には使いません。どの組み合わせにするかは、年齢や持病、血液検査の結果などをふまえて医師が選択します。
血圧を上げる原因は、「血管の縮み」「塩分と水分のため込み」「血圧を調整するホルモンの乱れ」など、体の中に複数あります。この前提をふまえると、1つあたりの量を抑えた2剤が選ばれる理由は、大きく2つあります。
血圧のお薬には、血管を広げたり、余分な塩分や水分を体の外へ出したりと、異なる働きがあります。1種類で血圧が十分に下がらないとき、私たち医師が考えるのは「量を増やすか、働きの違う薬を足すか」です。
薬によっては、量を増やしても血圧を下げる効果があまり増えず、副作用が出やすくなることがあります。そこで選択肢になるのが、働きの違う薬を少量ずつ組み合わせる方法です。それぞれの働きが補い合うことで、1つあたりの量を抑えながら、血圧を下げる効果を得られる場合があります。
実際に、複数の研究をまとめた分析でも、同じ薬の量を2倍にするより、別の種類の薬を組み合わせるほうが、血圧を下げる効果が大きかったと報告されています。
ただし、2種類なら必ず副作用が少なくなるわけではありません。増量と併用のどちらが合うかは、血圧の下がり方や体調を確認しながら判断します。

高血圧治療の目的は、血圧を適切に管理し、脳卒中や心臓・腎臓の病気を防ぐことです。そのため、薬を飲んでいても目標に届かない場合は、治療を見直すことが大切です。
日本のガイドラインでも、目標に届かないときはできるだけ早めに次の一手へ進むよう示されています。高血圧の治療は「じっくり様子を見る」から「早めに目標へ近づける」方向に変わってきました。
ただし、急いで血圧を下げればよいわけではありません。家庭で測った血圧や、ふらつきなどの症状も確認しながら、一人ひとりに合ったペースで目標へ近づけていきます。
🌀 理屈はわかったけど、飲む薬の数が増えるのは正直めんどう…
そう感じる方のためのお薬が、「配合剤(はいごうざい)」です。2つの成分が最初から1錠に入ったタイプのお薬です。

高血圧の配合剤には、治療の最初には使わず、使用中の薬や血圧の状態を確認してから切り替えるものがあります。急な血圧の低下を防ぐ目的で、お薬の添付文書に「高血圧治療の第一選択薬としない」と定められているためです。
1錠にまとまると飲み忘れが減り、組み合わせによっては薬代が抑えられる場合もあります。また、1錠にまとまっても、有効成分の種類や量が減るとは限りません。飲む錠数が気になる方は、切り替えのタイミングを医師に相談してみましょう。
診察室でよくいただく質問に、まとめてお答えします。
そうとは限りません。治療の途中でお薬が増えるのは、血圧を目標の値まで下げるための「調整」であることがほとんどです。体の状態や季節によっても血圧は変わります。
ただし、体重の増加や他の病気の影響など、血圧が上がりやすくなる別の理由が隠れている場合もあります。お薬が増えたときは、増えた理由を診察で確認すると安心です。
血圧が下がっていても、薬が効いているために安定している場合があり、すぐにやめられるとは限りません。自己判断でやめると、血圧が元に戻ってしまう恐れがあるためです。
一方、減塩や、必要に応じた減量などで血圧が安定し、薬を減らせる場合もあります。家庭で測った血圧の記録をもとに、医師と相談して決めましょう。
むくみやふらつき、せきなど、薬で起きやすい副作用については、組み合わせや量の調整で軽くできる場合も多くあります。
気になる症状があれば、次の診察を待たずにご連絡ください。
高血圧のお薬が2種類でも、それだけで重症とは限りません。2種類になるのは、働きの違う薬を組み合わせて、1つあたりの量を抑えながら血圧を下げるという考え方によるものです。
また、大切なのは、効果と副作用を確認しながら、自分に合った治療を続けることです。
薬が増えた理由や体調の変化が気になるときは、一人で悩まずご相談ください。当院は、土曜日も17時30分まで受け付けているので、平日お仕事でお忙しい方も通院しやすい環境です。
10年後の血管を守るために、今のあなたに合った薬の組み合わせを一緒に考えていきましょう。
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【参考文献】
高血圧管理・治療ガイドライン2025(日本高血圧学会)
Combination therapy versus monotherapy in reducing blood pressure: meta-analysis on 11,000 participants from 42 trials 2009(米国医学誌 The American Journal of Medicine)
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